2010年06月06日

2004年10月14日



十四日


歴史のN先生の研究室。


先生は今年赴任され、何度も述べている様に、


この部屋は皆の溜まり場になればよいと、かなり投資をしている。


パソコン、無線LAN、冷蔵庫・・・。


しかし、裏の目的は例のR嬢と知り合いになる事だった。








この部屋によく後輩のXという女性が訪れる。


実は彼女は、R嬢の友達なのだ。


彼女と仲良くなることによって、R嬢に近づくという目論見だった。


夏休み後が勝負というのは、そういう意味だ。


映画に誘ったというのも、このX嬢である。


そして断られた。


それから彼女との関係はギクシャクしている。


というより、ほとんど無視状態である。








それが今日、あの一件以来初めて目を合わせることになる。


大学が始まって、すれちがっても挨拶もしなかった、


否、目すらも合わせなかったのに。


研究室に偶然にも、彼女が居たのだ。


私はいつもの居候先へ向かったのだが、


鍵がかかっていて入れなかった。


もはや、N研究室は私にとってセカンダリでしかなかった。


彼女が居るかもしれないという予測は、


以前からしていたことであるから、何ら不思議ではなかったが、


朝から居るとは思ってもいなかっただけに、驚きを隠せなかった。


私は部屋に入るなり、開口一番、


「久しぶりだね。」


と声を掛けた。


「そうですね。」


彼女の返事は素っ気ないものだった。


“久しぶり”というのは、色々な意味を込めたものであったが。


学校で見かけるだけであれば、何も久しぶりというわけでもなかろう。


こうして同じ空間で、声を掛け、話をしようとするのが、


要は久しぶりなわけだが、それ以上声を掛ける気になれなかった。


研究室に設置してあるテーブル(作業台みたいなもの)。


予算は先生がだしたが、私と先生が協議した上で購入したものだった。


研究室に入って、手前左のところに私がみんなが使えるようにと、PCが設置してある。


研究室内には無線LANを飛ばしてあるので、


もちろんインターネットだって出来る。


彼女はそこでレポートを作成しているらしかった。


私は彼女の対角線上の反対側に座し、


ノートPCを開き、これもまた同様にレポートに取りかかった。


気まずい空気が流れる。


私は彼女の一挙手一投足に敏感に反応していた。


顔で表すことはなくても、気にせずには居られなかった。


だからといって、出ていく理由もない。


それは彼女とて同じだろう。


しかし、私にとってはその方が


彼女の気持ちがハッキリするので、良かったのかもしれない。


我慢比べに近かった。


しばらくして、レポートに目処がついたのか、


彼女は資料をしまいはじめた。


このまま出ていくのか。








出てはいった。


しかし荷物がそのままだったので、おそらく戻ってくるだろう。


私はその間に窓の外をみた。


居候先の主であるO先生が来ているかどうか確認する為だった。


まだ来ていない。


私はまたしばらくあの空気を味あわなければならないのだろうか。


以外にも早く、彼女は戻ってきた。


今度は何か調べものをしているのだろうか。


やはりPCとにらめっこをしている。








すると、誰かが研究室の扉をノックした。


N先生だろうか。


もう誰でも良かった。


この空気を何とかしてくれる人であれば。











入ってきたのは、後輩のV氏であった。


もちろんX嬢とは面識もあり、友達(?)でもあった。


張りつめていた空気が、一瞬にして和らいだ気がした。


しかしそれはあくまでも、V氏とX嬢の間だけだったと認識している。


私との間には、相変わらず見えない壁がそびえていた。


V氏と話す時の表情は穏やかであるのに、


私と居たあの時間はどうしてあんなにも厳しかったのだろうか。


V氏はそんな彼女を理解したらしく、


「何かあったの?」


と、X嬢に尋ねた。


「最近、良いことなくて、今日も朝からいいことなくてブチギレだし。」















































それは私か。


「朝からいいことがなくて、ブチキレ」ているのは私に対してか。


キレようと、キレまいとそれは彼女の勝手であるが、


しかし、何も本人を目の前にしていうことはあるまい。


どちらかというと、私がキレたいぐらいだった。


もともと2時間目もサボってレポートをやる予定だったが、


居候先も相変わらず閉まっていることもあって、


PCも現状維持のまま、部屋を飛び出した。


次の授業は、森林探索。


外を歩けば何かしら気分が晴れると思ったからだ。








しかし、余計にムカムカしてきたのは言うまでもない。


メールでも送って何かしら、現状を打破しようとも思ったが、


もうどうでもいい心境である。


所詮は、そんなものである。


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まさか、こうしてムカシの日記を読むときがくるとは思わなかったわ。


解説すると、


まず、R嬢というのは、当時『BABYというロリータ・ファッション・ブランドの服を着て


毎日大学に通学していたコ。


しかも、静岡市から新幹線で通学という猛者。


その生き様に惚れたのがアタシ。


X嬢というのは、本文でも説明しているように、R嬢の友達。


N先生は、アタシの学部ので担当教官。


O先生は、今でもつきあいのある大学部での担当教官。


V氏というのは、ちょっと覚えていない。たぶん、アイツだと思うんだけど。


それにしても、なんと遠回りをしていることか。


結局、自分に自信がないが故、何とか他人を巻き込んで、


自己の願望を満たそうとする魂胆ミエミエ。


本当に何をやっているのかしら。


こんなんだったら、空いている時間を使って、体でも鍛えたら良かったんだわ。


といっても、当時の自宅にそんなスペースはなかったのだけど。


でもね、その性格って今も直ってないの。


アタシが傷つくのがイヤだから、二重も三重もクッションをかまして、


自分を守ろうとするの。


そして、絶対的に傷つくって分かったら絶対に手はださない。


アタシが高校時代に身につけた技。


おかげさまで、何とか平穏無事に過ごしているわ。


人よりも、毎日はつまらないかもしれないけど。






Posted by あやしみゆき at 00:00│Comments(0)
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